春のごあいさつ 税理士法人カデンツ
代表社員・税理士 大木 了二
 
皆様には大変厳しい経済情勢の中、精一杯努力をされていることと思います。
私ども、(税)カデンツで働いている者も日々顧問先の方々のご苦労を身近に拝見して、皆様のご苦労を軽減できる何の力もないことを切実に思い知らされる日々です。高度成長時代やバブルの時代を経験している私にとり、あの時代はもう夢か幻のようにしか思えません。今とまったく違う別世界のような感じです。
   
<確定申告期を終えて>
毎年年明けから3月15日までは所得税や贈与税の確定申告で忙殺されます。
特に3月に入ると、毎日夜中まで土・日もなく、ひたすら確定申告書作りと納税者との連絡で日々が恐ろしい忙しさで過ぎていきます。
このようなことを40年以上も続けてきて、何とも因果な商売だなとその時期は痛感するのですが…。いつも3月に入りジンチョウゲの花の香りが漂ってくると「もうすぐこの忙しさから開放される」と思うのです。
そして一番寒い時期に寒さを感じる余裕もなく過ごし、春の訪れとともに多忙から開放され、春到来の喜びを実感し、夏季を含めた暑い時期は仕事が比較的らくに過ごせるこの職業を選んだことを有難く思います。
    
<今年の特徴>
不況が深まっていることが今年の確定申告でも確実に感じます。
貸家業の人の地代家賃収入が減っており、会社経営者の経営が厳しくなり役員報酬も減少し、各業種ともいずれも収入減少と所得減少が進行しています。
最近感じるのは不況が進み倒産や廃業が多くなっていますが、一方新規開業の数はそれなりに多いのです。
私の想像ですが開業者の多くは数年で倒産や廃業に追い込まれ、それに老齢者や無職の人などが重なってふきだまりのように貧困者の層が厚くなっているのではないでしょうか。特にこの数年の格差社会の拡大が社会的弱者に税制上も大きな圧力となっているように思います。
  
数年前に老齢者控除50万円(住民税48万円)がなくなったことと、昨年から所得税と住民税の税率が変わり、トータル税率が所得200万円以下で2%アップ、330万円以下で7%もアップしており、公的年金控除額も高齢者ほど控除を多くして税金を少なくしてもいいのではないでしょうか。これらの点だけ取っても税制上の弱者追い込みがひどいと思わざるを得ないのです。
 どうしたらよいでしょうか。
 
自公政権に国民がノーの審判を出し、代わった民主党政権が発足して半年以上。何かいい芽が出ないかと期待していましたが、今のところ政治資金の問題と米軍基地移転問題など、迷走中で明るい兆しはありません。どうしたらいいでしょうか。いろんなことは抜きに、税金のことについては今回の所得税と住民税の改正による低所得層の増税はやめてもらいたいし、老年者控除は復活して頂きたいと思います。皆様はいかがお考えでしょうか。